童話作家 安房直子さんが遺した景色

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海の町のお祭りと桜貝『海からの贈りもの』

海からの贈りもの

☆あらすじ☆

夏が終わって、海水浴のお客が帰ってしまったあとの海の町のお祭り。

病気のお母さんが「好きなもの買っておいで」と渡してくれた五十円玉二つをポケットに入れて、一人で夜店に来たかな子。

これで自分のものを五十円分、お母さんのお土産を五十円分買いたいなと思っていました。

いつもは「見るだけのお祭り」でしたが、久々にもらったお小遣いが嬉しかったのです。
でも、五十円で買える品物なんて、めったにありません。


すると、「一袋、五十円よ」という声が聞こえました。

りんご箱を一つ置いただけの小さな店に、青いネッカチーフを被ったおばあさんが座っていて、箱の上には綺麗な桜貝がたくさん並んでいたのです。


sakuuu



★★★★★★★★★★



たくさんの人たちが賑わうお祭りの夜店。

もらったお小遣い全部を使ってしまえば買えるものはあったはずなのに、お母さんへのお土産の分を使わないように、半分のお金で買えるものを探していたかな子の気持ちが優しくて切なくなりました。

自分の分のお金で買った、たった一握りの桜貝に導かれ出会ったおばあさんたちからの、かな子の気持ちに呼応するような贈り物。

そのラストに暖かい気持ちになりながら、私にも贈り物を頂いたとき、気に掛けてもらえた嬉しさがあったことを思い出しました。





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[ 2022/03/06 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(-)
プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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