童話作家 安房直子さんが遺した景色

安房直子さんの作品を紹介しています。
童話作家 安房直子さんが遺した景色 TOP  >  2019年06月

まさかの結婚式に招待されました。『猫の結婚式』


猫の結婚式


☆あらすじ☆


ある日、僕の家に出入りしていた野良のギンが結婚すると言って
招待状を持ってきました。

家で飼っている綺麗な白のチイ子とは比べものにならないほど
下品で汚くて傷だらけの野良です。
小さい頃から、たまにチイ子の牛乳をあげたりしていました。

「たった一人の人間として、僕の門出を祝福してやってください」
と言うギンに、僕は「わかったよ。」と答えました。

結婚式の日は、どしゃぶりの雨でした。

僕は最近元気のないチイ子に「ちょっと出かけてくる」と言い外に出ました。

激しい雨の中歩いていると、あとからあとからレインハットをかぶったたちが
追い抜いていきます。

案内されて駐車場の地下へ続く階段を降り、宴会場へ行くと
テーブルにぎっしりとたちが仰々しく座っていました。

案内された席が末席じゃないかと思った時、新郎新婦が入場してきました。



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たぶん軽い気持ちで出席した僕に、まさに青天の霹靂とも言うべき事態が発生。

まさか、まさかの結婚式

でも、「僕」にこれまで良くしてもらったこと、とても感謝していると思うのです。
「お父さん」のように思っているから末席にしたのでしょう。

そして、二十日ほど過ぎて届いたハガキ。
それは僕を思っての言葉だと思うのだけれど、
これでまた落ち込んでる姿を想像すると、ちょっと笑ってしまいました。






今日は父の日
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不思議なてまりが出会わせた身分違いの友だち『てまり』


てまり


☆あらすじ☆

お姫様の遊び相手がはしかになって寝込んでしまいました。

そして、はしかは国中に広まったために、お姫様に感染っては大変だと
お屋敷への子供の出入りが止められてしまいました。
遊び相手が居なくなったお姫様はおもちゃにもお菓子にも飽きてしまい
かんしゃくを起こして泣いていると、突然庭の方から声が聞こえました。

「あんた、どうして泣いてるの」


おせんだと名乗るその少女は、つんつるてんのかすりの着物を着て、
髪は後ろでひとまとめに結んで、藁草履を履いていました。

おせんは色とりどりの木綿糸でかがった大きなまりを持っていました。
その糸は、機織りで使ったはた糸の残りをおばあさんが集めて、
つなぎ合わせて、やっとこしらえてくれたものなのです。

そして、まりの芯には鈴が入っていて転がすたびに、りんりんと
いい音をたてるのです。



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出会う前に不思議な夢を共有していたお姫様とおせん、
二人の出会いは必然だったように思います。

そして、二人が望んでいたのはただ純粋に
一緒にいて楽しい時間を過ごしたかっただけなのでしょう。


ただ、友達でいたいだけ。

どうすることも出来ない境遇に、やるせなさが残るお話でした。







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プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


はじめに



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