童話作家 安房直子さんが遺した景色

安房直子さんの作品を紹介しています。
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耳の遠くなったおばあさんと山の風からの贈り物『秋の音』


『秋の音』


☆あらすじ☆

「この頃、耳が悪くなりまして電話の話がよく分からなくなりました。
…電話の代わりに手紙をください。どうか御用はみんな手紙にしてください。」

耳が悪くなってきたおばあさんは電話がかかってくるとこんなふうに一息に言うと
最後にごめんなさいと言って電話を切りました。

そとに出て誰かに会っても、話がよく分からなくなってきてしまいました。

耳が悪くなって、おばあさんの周りが静かになってくると
そのかわりにいろんなものを良く見るようになりました。

ベランダに咲いているコスモスや空一面の夕焼け雲を、
いつまでも眺めるのが好きになりました。

ある日のこと、小さな小さな荷物が届きました。
茶色い小包の後ろには「山の風より」と書かれてあります。
包みを開けてみると、中からくるみが三つ転がり出てきたのです。



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今まで聞こえていたのに徐々に耳が遠くなっていくことで、
代わりに目に見えるものを大切に感じていったおばあさん。
それでも、聞こえないことで不安になることもあったでしょう。

山の風から届いたくるみは故郷を思い出させてくれるものでした。

でも、くるみが見せてくれたのは懐かしさだけではなく、
不思議で楽しい出来事でもありました。
そして、聞こえなくなっていた耳にも嬉しい奇跡が…。

安房さんのリズミカルで楽しくて優しい言葉に
気がついたら声を出して読んでいました。
わたしもこんなくるみ欲しいなと思ってしまうお話でした。






[ 2019/11/02 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

知ってしまった耳飾りの秘密『奥さまの耳飾り』


『奥さまの耳飾り』


☆あらすじ☆

お屋敷の奥さまが耳飾りの片方を無くしてしまいました。
薄桃色の大きな真珠の耳飾りで、お屋敷のどこかに落としたようなのです。

それは、奥さまが御結婚の時に旦那さまから贈られた品物でした。
旦那さまは大金持ちの貿易商でほとんどを海の上にいるのだそうで、
小夜がこのお屋敷に奉公にあがって半年経つのですが、
まだ旦那さまにはお目にかかったことがありません。

その日の夕暮れ時、小夜は庭に落ちている耳飾りを見つけたのです。

くちなしの木の下に、こぼれた露のように落ちていた真珠を
小夜は自分の右の耳につけてしまいました。

すると、小夜の耳に不思議な音が聞こえてきました。

それは海の渚の音でした。


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その宝物はあまりに綺麗で魅惑的で、惹きつけられるものだったのでしょう。
小夜はこんなことをしてはいけないと自分に言い聞かせながらも
それを身につけてみたいという思いを抑えることが出来ませんでした。

真珠の耳飾りの秘密は奥さまと旦那さまだけの秘密でした。
たった一度だけならという思いが消してしまった悲しい魔法。

味戸ケイコさんが描く、夜の海と満月、そしてあれは奥さまの後ろ姿でしょうか。
なんとも切なく、悲しい、そして美しい挿絵が印象的です。






[ 2019/10/06 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

踊りが上手になりたいお嬢さんへ『うさぎのくれたバレエシューズ』


『うさぎのくれたバレエシューズ』


☆あらすじ☆

その女の子はバレエ教室に通い始めて5年も経つというのに
踊りが上手になりませんでした。

くるくると鮮やかに回れないし、先生の言うとおりに手も動きません。

それでも、音楽が鳴れば踊りたくてたまらなくなるのです。

女の子の願いはたったひとつだけでした。

「どうか、踊りが上手になりますように」


ある朝のこと、不思議な小包が届きました。
それは一足のバレエシューズでした。
そして、一緒に入っていたカードにはこんなことが書かれてありました。

「踊りが上手になりたいお嬢さんへ 山の靴屋」


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好きなのに、それが上達しないもどかしさや辛さ。

自分なりに頑張っているのに思ったように出来なくて、
他の人達がどんどん先に行ってしまう不安で押しつぶされそうになる。

願うだけでは叶わないと分かっていながらも、月や星、遠い山にまで
お願いをしてしまう気持ち。

これまでに何かに夢中になって、それでもうまく行かなかった経験がある人には
この少女の気持ちを自分に重ねてしまうのではないでしょうか。

物語のように、笑顔で終われなかった結果であったとしても、
夢中になれることが見つかって、もっと上を目指して努力する気持ちは
失くしたくないと思いました。

なにかに夢中になっているときって、私はただひたすらに楽しいですから。





[ 2019/05/19 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

向こうの崖から飛んできた赤い帽子『赤いばらの橋』


『赤いばらの橋』


☆あらすじ☆

緑色の鬼の男の子が崖に腰掛けて、遠くを眺めていました。

「向こう側の崖には何があるのかなあ。」

子鬼はずっと前からそれが知りたかったのです。
南側の崖の上は、オリーブ色の森です。

やっぱり鬼がいるのかな…。
子鬼はそう思いましたが、その森から聴こえてくる音楽を耳にしたとき、
鬼がいるのではないと知りました。
「鬼はあんなに綺麗な音楽を知らないもの…。」

ある日、これまでにない激しい南風が吹きました。
そして、その風に乗って帽子が飛んできたのです。

うしろにリボンが結んである、赤いフェルトの帽子です。
そしてそれは不思議な甘い匂いがしました。
この帽子の持ち主はきっと女の子だと子鬼は思いました。

「いいにおいのする、可愛い可愛い女の子。」
ふと、胸の中をくすぐられるような気がしました。

「そうだ、返してあげなけりゃ」

子鬼は、勇んで立ち上がりました。


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向こうの崖には何があるのかな~とずっと考えていた小鬼。

お母さん鬼に聞いてもろくな返事をしてくれない。

何があるのかな、何があるのかなって想像だけが膨らんでいたときに、
なんて良いタイミングで帽子が飛んできたものだから、
子鬼の衝動は止められるはずがありません。

おまけに自分に都合の良い想像で帽子の持ち主は
「いいにおいのする可愛い可愛い女の子」
なんとかして、僕が自分で行って、自分で返してあげたい…。

もう子鬼の思いは募るばかりです。

このあたりまでで、私も楽しい展開を想像していました。

はたして、子鬼は向こう側に本当に行ったのでしょうか。
可愛い女の子に出会えたのでしょうか。

子鬼の言動がなんとも可愛らしくて可笑しくて、笑ってしまいます。






[ 2019/05/02 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

森の小さな病院とうぐいすのお話『うぐいす』


『うぐいす』


☆あらすじ☆

森の中に、年取ったお医者さんと年取った看護婦さんの夫婦だけで営んでいる
古い小さな小さな病院がありました。

玄関のドアには「みならいかんごふさんぼしゅう」の張り紙がしてありますが
まだ来てくれる人はいませんでした。

お医者さんも看護婦さんも疲れ切っていました。
この病院も、もうおしまいにしなければならないだろうかと思うのですが、
頼ってやってくる村の人たちを思うと、なかなか決めかねずにいました。

ある春の明るいお月夜の晩でした。
「こんばんは」と玄関で呼ぶ声がしてお医者さんが出てみると、
とても小柄な若い娘が立っていました。

そして、「わたし、看護婦さんになりにきました」と言うのです。

それは以前怪我の治療をしてあげたうぐいすでした。

怪我をして病院の庭に倒れていたところを近くの子供が拾って
お医者さんに預けた緑色の小鳥でした。



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このお話の絵がとても素敵で好きです。
森の中の小さな病院。
お医者さんと看護婦さんご夫婦。
そして、小枝のように華奢で小さいうぐいすの看護婦さん。

春の柔らかさを感じられる絵で、本のページをめくるたびに
優しい気持ちになりました。


寒さの中にも暖かい陽射しが混じるようになった今日この頃。
そして、うぐいすの声を聞く回数も増えてきました。

姿は見えないのに、あの「ホーホケキョ」って鳴き声が
どこからともなく聞こえると春の気配を感じられて嬉しくなります。





[ 2019/03/21 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

不思議な少女と出会った雪降る海沿いの町『海の雪』


『海の雪』

☆あらすじ☆

雪が降りしきる海沿いの町。
少年が一人、バスから降りてきました。

「海岸通り四丁目」
そうつぶやくと、少年はあたりを見回しましたが、道を訪ねようにも
誰一人見当たりません。

少年は幼いときに別れた母親に会いにこの見知らぬ土地へ来たのです。
母はみなと屋という旅館に嫁いで、子供もいるということしか分かりません。
祖母のところに届いた手紙の住所を、もうそらで覚えていたつもりでした。

海沿いの道を歩き続けても、どこまで行けば目的の場所に着くのか
見当もつきません。

傘も帽子も無い少年に降り続ける雪に、体は凍え疲れてきました。

「傘に入らない?」

ふいの誰かの言葉と同時に、白い傘がふわりと差し掛けられたのです。


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このお話を読んだとき、思い浮かんだのが『マッチ売りの少女』でした。

寒く凍える夜、マッチを擦ると、もう亡くなってしまったおばあさんが現れ、
少女を抱き天に昇っていくという最後。

幼少の頃は、ただ「かわいそう」という感情だけでした。
でも、大人になってから読み返すと、「あれで良かったんだ」という思いが
湧き上がってきました。

「海の雪」の少年を向こうの世界へ送り出さなかったのは、
きっと帰る場所があったからなんだと思いました。

お母さんが恋しくて、寂しい思いをしてきたことでしょう。
でも、きっと帰りを待っていてくれる誰かがいるはず。
物理的、経済的だけじゃなく、精神的にも安心して帰れる場所。
だから、向こうの世界へ旅立たせなかったんだと思いたいのです。

お母さんを思って、探しに来た見知らぬ土地。

会えるかなと期待に胸を膨らませた思いが、徐々に不安に変わっていったとき、
少年の折れそうな心をすくい上げ、癒やしてくれたのが
少女の存在だったような気がします。

雪が降りしきる人気のない淋しい風景を思いましたが、
少女と過ごした時間とラストに暖かい気持ちになりました。


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[ 2019/02/24 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

不思議なひらめと正直者の見習いコックのお話『海の館のひらめ』


『海の館のひらめ』

☆あらすじ☆

島田しまおは、アカシヤというレストランで働いている青年。
料理人になりたくて十六歳からこのレストランで働いていますが
もう六年ほどになるというのにいつまでも下働きのままです。
それでもしまおは、人の嫌がる仕事も真面目にしてきました。

しかし、正直者で融通が利かなくて人のご機嫌取りが下手なしまおを
他の料理人は馬鹿にし意地悪な言葉を投げかけるのでした。

もう辞めようと思ったある日のこと、不思議なひらめと出会い、
「あなたを一人前の料理人にしてあげる」と言われるのです。

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真面目にやっているのにうだつが上がらないしまおに
いつの間にか自分を重ね合わせていました。

報われない環境の中でも、ひらめの言葉を信じて行動し、
幸せへと歩いて行くしまおの姿に嬉しくなりました。



関連記事:真面目で正直者の青年に込めた思い










[ 2017/03/05 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

海にギターを預けてきました。『海からの電話』


『海からの電話』


☆あらすじ☆

音楽学校の学生、松原さんはギターを持って海に行きました。
誰ひとりいない海辺の砂浜に買ったばかりのギターを置いて、
ほんの少し、たった五分か十分昼寝をしたのです。
はっと目を覚ますと、もうギターは壊れていました。
ギターの弦、六本すべてが切れていたのです。

「だれだ!こんなことをしたのは」
誰もいないはずの海辺で松原さんは大声で怒鳴りました。
すると、思いがけず近くから、小さな声が聞こえました。
「ごめんなさい」

そして、あとからあとから沢山の声になっていったのです。
「ちょっと触ってみただけなんです」
「壊すつもりなんかひとっつもなかったんです」
「僕たちも音楽をやってみたかったんです」

砂の上をよくよく探してみると、それは沢山の小さなカニたちでした。

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 安房さんの作品には楽器がよく出てきます。

オルガンやトランペット、バイオリンやハーモニカなんかも。
そして、時には歌を歌っていたりもします。

安房さんが楽器をやっていたという記述は記憶にないのですが、
きっと音楽がお好きだったんだろうなと思うのです。

それから、これは何となく感じていたことなのですが、
安房さんの文章はリズム感があるなと思っていました。
人によって感じ方は様々だと思いますが。
うまく伝えられないのですが、声に出して読んでみると
その感覚は顕著に感じられて、読み進むのがなんだか楽しいのです。
「あ、コレコレこの感じ」っていう自分にしか分からない感覚なんですけれど。
そう思うと文章を書く事と音楽の繋がりは深いように思ったりもします。

安房さんご自身は言葉や文章のリズムを大切にして、
それを意識して書いていらしたのかなと思うときもありますが、
それは私の想像の範囲内で、今となっては知る由もありません。

昨日、2月25日は安房さんのご命日でした。
ご健在であったならどんな作品をお書きになっただろうと、
思わないこともありません。
でも、遺してくださった作品があります。
まだまだ知らない作品が沢山あって、それを読む楽しみがあります。

それに今まで読んだ作品も、読み返すと内容を知っているはずなのに
新たな感想や感動が生まれる時があります。
この感覚は文筆に限らず、音楽もそうだなと思ったりします。

新しい作品に触れられなくなったら、
いつか飽きてしまうのだろうかとか、
いつか忘れてしまうのだろうかと思ったこともありました。
でもそんなことは全くなくて、
何度読んだって、何度聴いたって感動が薄れることは無いのです。

作品に出会え、共感して惹かれたことに、ただ感謝しています。





[ 2017/02/26 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

風鈴がうるさいと葉書が届きました。『秋の風鈴』


『秋の風鈴』

☆あらすじ☆

ある日のこと、貧乏な絵かきの「僕」の部屋にこんな葉書が届きました。

「おたくの風鈴がうるさくて夜ねむれません。
 あたし達は、もう長い間寝不足なのです。
 夏のあいだは、がまんしていました。
 でも、もうそろそろとりこんでくださったらいかがでしょう。」


毎日、良い気持ちで聞いている風鈴の音がうるさいだなんて
考えてもみないことでした。
あの音が気になって眠れずにいる人がいるなんて。

絵かきは古いアパートの一階に住んでいました。
差出人の名前が無い葉書を見ながら、
隣近所の人たちを思い浮かべましたが誰なのか分かりません。

この風鈴は大切な思い出の品でした。
夏になる前、過ごした山村で出会った少女がくれたものなのです。
軒下にかけておくとそれだけで仕事に集中することができました。
そして、良い絵がかけるようになった気もしているのです。
それなのに、この葉書だけでしまうわけにはいかないと、
なかば意地になってそのままにしていました。

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それから十日ほどして、大量の葉書の束が届きました。
葉書の重みで郵便箱が床に転がり落ちてしまったほどです。
その全部が風鈴に対する抗議文でした。
葉書の字はどれも似たような筆跡で、
植物の葉を思い出させる草のつるの様なペン字です。

これほどまでに風鈴に迷惑している人がいるなら…、
絵かきは思い出の風鈴を軒下からはずしました。

それからは、何事もなく日々は過ぎていきました。
ただ絵かきだけは、水の底に沈んでいるような虚しさを感じていました。

そして、十月のある秋晴れの朝。
雨戸を開けた絵かきは、何もかもがすっかり分かったのでした。


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風鈴は日本の夏の風物詩。
一軒家の実家にいた頃は風鈴の涼やかな音色が心地よくて好きでした。
それに隣近所から風に乗ってかすかに聞こえてくる風鈴の音も風情がありました。
あの頃は風鈴の音が邪魔になるなんて考えたことなかったと思います。

でも、家を出てアパートで一人暮らしを始めた時です。
お隣さんがベランダに風鈴を下げていたのです。
最初、かすかに聞こえる音を懐かしく楽しんでいたのですが、
一日中少し強めの風が吹き続けていたとき、
こんなにも風鈴の音に悩まされるのかと思った時がありました。

窓を閉めていても隣のベランダの風鈴の音ははっきり聞こえます。
ワンルームなので逃げ場がないところで眠るしかなく、寝不足になりました。
そのうちに、自分でもうるさいと思ったんでしょうか、
お隣の風鈴の音は聞こえなくなっていました。


最近、涼しくなってきました。
もう、夏もおわりですね。




[ 2015/09/01 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

かさ職人の若者と雨の日に出会った少女のお話『青い花』


『青い花』


☆あらすじ☆

裏通りに、小さいかさ屋がありました。

まだ若者でしたが、かさの修理の腕前はりっぱな職人です。

ある日のこと、町へ出る道すがら雨が降っているというのに
傘もささずに垣根にもたれて立っている女の子と出会いました。

傘を持っていないという女の子にかさ屋はとびきりの傘を
作ってあげることにしました。

女の子が選んだ傘の生地は青い色でした。
その夜、かさ屋は夜遅くまでかかって念入りにその青い傘を作り上げました。

それにしても、女の子の選んだ色はなんて素晴らしい色なのでしょう。

そして、自分の腕前もなんて素晴らしいのだろうと思いました。

次の日、女の子に傘を渡して帰ってくると、不思議なことが起こっていました。

店の前にたくさんの女の子がかさ屋を待っていたのです。
そして、そこにいるお客みんなが「青い雨傘を作って下さい」と言うのです。

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少女と出会ったのは、それまで丁寧に心を込めて仕事をしてきた
ご褒美だったように思いました。

でも目先の収入にばかり気をとられ、
ただ目の前の仕事をこなすだけの日々になった時、
風向きが変わってしまいます。

忙しさの中で目先のことだけにとらわれていると
自分にとっての嬉しさや大切なことが何だったのか
わからなくなってしまう時があります。

そんな時、「心を置き去りにしてまでも、利益を手にすることが良い事なのかな」と
思える気持ちはなくさないでいたいと思いました。

可愛らしいお話の中にもそんなことを気づかせてくれたような気がしています。

そしてやっぱり安房さんは青がお好きなんだな~と
嬉しくなってしまうお話なのです。

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雨の日の楽しみ

6月になって関東も梅雨入りしました。

これからジメジメした季節になるのか~と思うと憂鬱です。
春の爽やかな季節は本当にいつもながらあっという間に過ぎてしまいますね。

やだな~と思っていると余計に雨の日は気分が落ち込むので
今年はちょっと雨の日でも楽しくなるような明るめの色の傘を買いました。

ここで他の人なら花柄とか暖色系の色を選ぶと思うのですが、
私が選んだのは空色の傘。
隅の方にちょっと濃い目のラインで花が描かれている
至ってシンプルな表情の傘です。

シンプルすぎるんだけど、”良い天気の空の色”って感じで
私は気に入っています。

雨の日でも晴れた空に包まれているような気分にさせてくれます。

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[ 2014/06/14 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)

誰も知らないりんごと星のお話『ある雪の夜のはなし』


『ある雪の夜のはなし』


☆あらすじ☆

風のない寒い晩。

人っ子ひとりいない雪の野原の一本道を
たくさんのりんごを乗せたトラックが走ってきました。

トラックがガタンと揺れたひょうしに、
ひとつのりんごが転げ落ちてしまいました。

なんて冷たくて、がらんどうの場所に
自分は落ちてしまったんだろう…。

そうりんごが思った時、
「りんごさん」と呼ぶ声が聞こえたのです。

それはモミの木の真上に光る、
一番はじめに出たひときわ明るくて美しい星でした。


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りんごとお星さまのやりとりがなんだか素敵なのです。

凍てつく寒い夜、いちめん雪野原に落ちてしまったりんごと星のお話が
私にはなんとなく秘め事のような雰囲気を感じさせる作品で、
味戸ケイコさんの挿絵も幻想的で素敵なのです。

寒い季節にほんのり暖かい気持ちになれる物語だと思います。




[ 2014/02/15 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

すきっぷ

Author:すきっぷ
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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