童話作家 安房直子さんが遺した景色

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はた織りの青年が求めた憧れの果て『銀のくじゃく』


『銀のくじゃく』

☆あらすじ☆

ある南の島に、腕の良いはた織りの若者がいました。

寝食を忘れるほどに仕事熱心で、
いつもはた織りの新しい模様のことを考えていました。

藍色の大きな蝶や、空の星、青い空ばかりか、
いつしか目に見えない夢や悲しみ、歌なんかを
布の中に表現してみたいと思うようになっていました。

月も星もないある夜、黒ずくめの老人が訪ねてきました。

「ぜひ、あなたに織って頂きたいものがあるのです」と。

それは心を動かされる仕事の依頼でした。


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”おそろしい思いをするかもしれない”と分かっていても
自分の思うような美しいものを作ってみたいという気持ちは
止められなかったのでしょう。

そう思い込んだら引き返せないのかもしれません。

思い通りのものを作り上げたとき、若者はもう元の若者ではありませんでした。
夢と引き換えにたどり着いた果ては…。

きっと、私はこんなふうに何かに夢中になんてなれない。
憧れた夢に手を伸ばした若者が少し羨ましく思えます。

そう思うと彼が選んだ道をただ非難する気にもなれないのです。

終始、薄い霧がかかったような情景を想像しました。
幻想的で淋しさが残る物語です。




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[ 2016/12/03 00:00 ] お話「か行」 | TB(-) | CM(0)
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Author:すきっぷ
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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