童話作家 安房直子さんが遺した景色

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気の良い大工さんと不思議なベランダ『だれにも見えないベランダ』


だれにも見えないベランダ


☆あらすじ☆

ある町にとても気の良い若い大工さんがいました。
どんな仕事でも頼まれたら気軽に引き受けます。

立派な腕を持っていましたが、たいへんなお人好しでしたから、
いつも報酬の無い仕事ばかりに追われていました。
そして、いつも貧乏でした。

ある晩のこと、大工さんの部屋に一匹の野良がやってきました。

そして、「ベランダをひとつ、作って欲しいんです」と。

それは、お世話になっているさんに素敵なベランダを作ってあげたいという
特別なお願い事なのです。

翌朝になると、すずめや鳩までもが「ベランダをつくってくれますね」と
言ってくるのです。

そして、大工さんは仕事を引き受けることにしました。

出来上がったベランダを空色のペンキで塗って、がおまじないをかけると
外からは影も形もなく、内側からしか見えないベランダになりました。


それから、何ヶ月か過ぎた頃、大工さんのところに小包が届きました。

中には香りの良い緑の野菜がどっさり入っていたのです。

そして、こんなカードが添えてありました。

”ベランダでとれた野菜です。
ベランダをつくっていただいたお礼です”



reeee




さんから送られてきた緑の野菜
レタスやセロリや芽キャベツ、つまみ菜にパセリにカリフラワー。
ベランダでこれほどの野菜をつくれるなんて驚きです。

さんの手入れが良いのか、それとも魔法のベランダだからなのか。
本当に素敵なベランダで羨ましいです。

私は植物を育てるのが下手で、自分でも驚くくらいあっという間に
なんでも枯らしてしまいます。

鉢植えの花や観葉植物、プランターに植えたプチトマトも
気がつけば全く成長が止まってしまって、そして枯れていきました。

ベランダで出来た野菜でサラダを作るなんて、憧れてしまいます。


paaa






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ひとりぼっちに訪れた素敵な出会い『だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ』


だんまりうさぎとおしゃべりうさぎ

☆あらすじ☆

働き者だけれど友達がいない一人ぼっちのだんまりうさぎ

毎日一生懸命畑仕事をして、疲れたら寝転がって雲を見て、
日が暮れると家に帰り、黙ってごはんを食べて、
夜になったら星を見ながら眠るのが日課です。

ホコリを被った電話は一度も鳴ったことがありません。

ある朝のこと、大きなカゴを持ったうさぎがやってきました。
カゴの中のくるみ餅を畑の野菜と交換して欲しいというのです。


yasai.jpg


だんまりうさぎの思いの葛藤が自分と似てるなと思いました。
友達が欲しくないわけじゃないけれど、
相手とどうコミュニケーションをとったらいいのか分からないのです。

畑で採れたカブでサラダを作りながら、誰かに分けてあげたいなと思ったり、
おいもを落ち葉で焼きながら、誰かと一緒に食べたいなと思ったりする
だんまりうさぎがとてもいじらしく思いました。

そんな時に、突然現れたおしゃべりうさぎ。
勝手に台所でくるみ餅を焼きはじめたり、
たくさんの話も終始おしゃべりうさぎのペース。
それでもだんまりうさぎは楽しくなってきました。

きっと自分が話すより相手の話を聞くのが好きなのです。
相手が楽しそうに話をしているのを見てるだけでもいいのです。

帰り際、電話をかけると言うおしゃべりうさぎに、
だんまりうさぎは、電話は好きじゃないと答えます。
すると、また遊びにくるわと言うおしゃべりうさぎ。

このやり取りが私はとても嬉しかったのです。
初対面の人に電話を断られたら、普通なら拒否されたと思いませんか?
「もう連絡取りたくないってことなのかな」って。

でも、だんまりうさぎはただ電話が苦手なだけなんです。
それを上手く伝えられないだけなんです、きっと。

だから、おしゃべりうさぎが「また遊びに来るわ」って言ってくれた時、
きっと、とてもとても嬉しかったに違いありません。










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プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


はじめに



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