童話作家 安房直子さんが遺した景色

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こふきちゃんと母ちゃんとコロッケと『コロッケが五十二』


『コロッケが五十二』


☆あらすじ☆

町の肉屋でもう何十年も使われている大きな大きなおなべがあります。
ぶ厚くて、黒くて重くて、叩くといい音のするおなべです。
毎日、長いかねのお箸と一緒に美味しいおかずをこしらえています。

しかも、このおなべで作ったコロッケはまるで生きているように
歌でも歌いながら今にもコロコロ転がりそうに見えるのです。


この肉屋に小さい女の子がいました。
ふっくりと色白で、まるで粉ふきいもみたいな子なので
みんなは「こふきちゃん」と呼んでいました。

幼い頃からお母さんを真似ては、売り物にならないコロッケを作っていたので、
だんだんと”コロッケぐらい一人作れる”と思うようになりました。

それをお母さんに言ってみましたがお店が忙しいお母さんは
こふきちゃんの相手などしてくれません。
腹を立てたこふきちゃんがまな板の上のコロッケを払い落とすと
おかみさんはとてもこわい顔をして叱りつけました。

びっくりしたこふきちゃんは顔をくしゃくしゃにして泣き出しました。
床に寝転んで、手足をバタつかせ泣き続けました。

けれど、そんなことをしても誰もかまってはくれませんでした。

korokoro 



ずっと小さい頃から店先で母ちゃんの真似事をしていたこふきちゃんは
いつしか、コロッケなんて自分一人でも出来るような気になってきました。
「母ちゃんのお手伝い、ちゃんと出来るよ」って言いたかったのかもしれません。

なのに、忙しい母ちゃんは話をまともに聞いてくれません。
だから、怒ってコロッケを払い落としてしまったのでしょう。

怖い顔で叱りつけた母ちゃんにビックリして泣いちゃって、
床に寝転んで鼻と涙でぐしょぐしょになっても誰も構ってはくれなくて…。

その情景とこふきちゃんの気持ちが分かりすぎるほどに分かって
笑ってしまいました。

こふきちゃんが騒いでも動じない母ちゃんと、頑固でめげないこふきちゃん。
きっと似た者同士なのかもしれません。


お話の終盤、母ちゃんが文字通り「体を張って」こふきちゃんを助けたあと、
家へ帰る二人の会話がとても良いな~って思いました。

母ちゃんの「なにいってるの」っていう言葉が優しく聞こえるようでした。




今日は母の日♥
kaachan 






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[ 2019/05/12 00:00 ] お話「か行」 | TB(-) | CM(0)
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Author:すきっぷ
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*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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