童話作家 安房直子さんが遺した景色

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ひみつ ひみつ 誰にも言えない『うさぎ屋のひみつ』


うさぎ屋のひみつ


☆あらすじ☆

キャベツ畑の隣の小さい家に住んでいる若い奥さん
可愛らしくて気立てが良いのですが、大変な怠け者なのです。

家のことすべてが面倒で、朝旦那さんが家を出てしまうと、
日がな一日、窓のそばで椅子に腰掛けてレースを編んだり、
本を読んだり、一面のキャベツ畑をぼんやり眺めていたりするのです。

そして、夕方になるとため息を付いて
「あああ、今夜のおかずは何にしよう…」とつぶやくのです。

ある夕方のこと、窓のそばでやっぱりため息をついていると、
外でいきなり変な声がしました。

奥さん、今夜の夕食、お届けしますよ。」

外を見ると、そこには白いデニムのエプロンをかけたうさぎが立っていました。
そして、”夕食宅配サービス うさぎ屋”と書かれた名刺を差し出したのです。



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うさぎ屋のメニューには見ているだけでヨダレが出そうなほど
美味しそうな料理が並んでいました。

買い物も行かず、調理もせず、ただ待っているだけで一流の料理
食べられるのですから怠け者の奥さんには願ってもない話です。

でもね…、最近ふと思うのです。
家事や仕事で忙しい人や、なんにもやりたくないっていう怠け者だけが
夕食作るのしんどくて、うさぎ屋を利用するのでしょうか?

きっと毎日毎日、来る日も来る日も食事を作り続けている人は
時々、作るのが嫌になって、たまには誰かに作ってもらいたいよって
思うこともあるのではないでしょうか。

うさぎ屋の会費は月初めにアクセサリーを一つと交換で
ひと月の間、美味しい夕食が運ばれてくるのです。
これだったら、ちょっと試しに一ヶ月お願いしたくなります。

それにしても、欲というのは際限無いなとつくづく思いました。

そして、なんだかんだあっても、みんなたくましく生きているんだなと、
思わず笑ってしまったラストでした。


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[ 2020/04/29 00:00 ] お話「あ行」 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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