童話作家 安房直子さんが遺した景色

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菊酒つくりの小人家族とある夫婦のお話『ハンカチの上の花畑』


『ハンカチの上の花畑』

☆あらすじ☆

郵便屋さんが「きく屋」と言う酒倉に手紙を届けにきました。
以前は大きな造り酒屋でしたが、戦争でいくつもあった酒倉は焼け、
家族も店員もいなくなり潰れてしまったのです。
そんなたった一つ残った酒倉に手紙が届いたのです。

もう誰もいないと思われた酒倉にはおばあさんがいました。
息子からの便りを待ち焦がれていたというおばあさんは
手紙のお礼にとっておきのお酒をご馳走すると郵便屋さんを酒倉に招き入れました。

奥から持ってきた壺を大事そうにテーブルに置くと、
これがとっておきの菊酒だというのです。
「この世に二つとないお酒なんです。」
おばあさんは壺の横に白いレースのついたハンカチを広げて
こんな歌を歌いました。

♪出ておいで出ておいで 菊酒つくりの小人さん

すると壺の中から細い縄梯子がするすると出て来て、
小さな人たちが梯子から降りてきたのです。
それは菊酒の精でした。


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正直者の郵便屋さんはおばあさんから菊酒の壺を預かることになりました。
たった二つの約束事は守るようにと念を押されて。

郵便屋さんはこのあと様々な幸運を手にすることになるのです。
楽しい日々の中で秘密の約束はだんだんと破られていくようになり、
郵便屋さん夫婦の罪悪感も薄れていってしまうようでした。

nihonshu.jpg


この夫婦は欲に目がくらんで正常な判断が出来なかったのでしょうか。
それとも、この菊酒が本性を露呈させるきっかけだったのでしょうか。

これは誰にでも陥る可能性があることだと思いました。
いつの間にか「大事なこと」よりも「楽しいことや得すること」のほうに
心が奪われて誤っていくことに気づかないで過ごしているのかもしれません。




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[ 2015/08/30 00:00 ] お話「は行」 | TB(-) | CM(0)
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Author:すきっぷ
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*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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