童話作家 安房直子さんが遺した景色

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煙の中の楽園『熊の火』


『熊の火』

☆あらすじ☆

小森さんは山の中で仲間に置いてきぼりを食って、
何日もさまよい歩いていました。

足を挫いた小森さんを、仲間ははじめは気遣ってくれていましたが、
日が暮れて雨が降り出すと、みんなの足取りは早くなって
とうとう追いつけなくなってしまったのです。

闇の中、疲れと寝不足のかすんだ目に、ちらちらとタバコの火が
動いているのが見えました。

「向こうから人が来る、助かった」と思いながら近付いて来る姿を見ると
それは二本足で立って、タバコを咥えている大きな熊だったのです。


kkk


山の中で仲間から置いてきぼりを食った若者は人間社会にも仕事にも
嫌気がさしていました。

心身ともに弱っていたときに偶然出会った熊の話を聞いているうちに
熊からの提案を受けることのほうが幸せかもしれないと思うように。

そうして幸せを手に入れたはずなのに、その幸せに慣れてくると
逃げるように熊の話に乗った弱気な自分が情けなく思えてくるなんて、
本当に人間って厄介だなと思いました。

毎日が穏やかで、何不自由なく暮らせる場所を手に入れたら、
ずっとそこに居続けるたいと思うような気がするのですが。

それとも、やっぱりこの若者のようにその幸せを手放したくなるときが
来るのでしょうか。

今の現実に不満を持って、逃げ出したくなることも多いけど、
人間として生きる場所でしか生きられないってことなのかもしれません。


kemu










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Author:すきっぷ
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