童話作家 安房直子さんが遺した景色

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桜林の番兵みみずくと桜の精のお話『緑のスキップ』


『緑のスキップ』

☆あらすじ☆

みみずくは桜林の番兵です。
桜林に怪しいものが入らないよう見張りをしています。

ある時、満開の桜の下にいた桜色の着物を着た女の子と出会いました。
「あたし、花かげちゃん」
それは桜が散ったら消えてしまう桜の精でした。

それから、みみずくは花かげちゃんの番兵になりました。
周りが夏や秋になってもここだけは桜の季節が終わらないように。
何かが花かげちゃんをさらって行ってしまわないように。
かわいい花かげちゃんを守ろうと決めたのです。

四月のある晩。
何かに追われている傘をさした小人を逃がしてやると、
なんだか暖かい風がふいてきて眠くなってしまいました。
すると、足音のような不思議な音が近づいてきます。

トット トット トット トット

それは春の緑を夏の緑に変えてしまう緑のスキップでした。



sakura1.jpg



桜の花は咲いたなと思うとあっという間に散り始めてしまいます。
綺麗な花で楽しませてくれるのも束の間。
潔い散り際の美しさも惹かれるところなのかもしれません。

実は、桜の花の良さを感じられるようになったのは大人になってからです。
改まってお花見に行きたいとは思わないのですが、
外に出れば必ずどこかにはある桜の木を日々見ていると、
知らず知らずのうちに花が咲くのを待っていたり、
咲いた花に目を奪われ、心が癒されていくのを感じたりします。
そして散り始めれば…淋しいのです。

私は子供の頃から花よりも緑が好きで、以前は桜も満開の時よりも葉桜になった頃のほうが好きでした。
薄ピンク色の花びらに混じって薄い緑色がいいアクセントになっていくと、
爽やかな新緑の季節になったんだなと嬉しくなりました。
穏やかな気候と爽やかな風が吹くこれからの季節が一番好きなので。

今は、満開の桜も葉桜も、やっぱり好きです。
潔く過ぎて行ってしまうように見えても、
まだもう少し余韻を残して、葉桜も新緑の季節も楽しめそうです。






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[ 2016/04/10 00:00 ] お話「ま行」 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


はじめに



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