童話作家 安房直子さんが遺した景色

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歯医者さんへのお礼です『ねずみのつくったあさごはん』


ねずみのつくったあさごはん


☆あらすじ☆

小さな町に小さな歯医者さんがありました。
若くて腕の良い歯医者さんがたった一人で働いていました。

ある日曜日、小さな患者さんが来ました。

「せんせい、お願いします。」

それは一匹のねずみでした。
玄関に飛び込むと、さっさと診療室の方へ歩き出しました。

今日は日曜日でお休みです。
そんなことはお構いなしに、ねずみはさっさと診療室の椅子によじ登って
ぱくっと口を開けたのです。

それを見ると歯医者さんはいつもの癖で思わず、
「虫歯ですか。」
と聞いてしまいました。


assssssa



休診日にいきなり来て、虫歯を看てくださいなんて、随分図々しいと思ったのですが
ねずみには虫歯をすぐに治してもらいたい理由があったようです。

そのお礼に、歯医者さんにこしらえた朝ごはん
独り身の歯医者さんにはピッタリのお礼だったと思います。

かまどで炊いたご飯にお味噌汁、厚焼き卵に煮付け、胡麻和えなど。

「素晴らしい朝ごはんだ」と嬉しくてたまらない歯医者さん。

わたしも、ねずみたちが朝ごはんを作る様子を読んでいたら
歯医者さんが羨ましくなってしまいました。





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おばあさんの針箱と不思議な縫い針『小さい金の針』




☆あらすじ☆

おばあさん箱は古いバスケットです。
ずっと昔に、お嫁に来るときに持ってきたものです。

バスケットには、小さな赤い刺しとハサミと糸巻き、
ボタンを入れた小箱が入っています。
刺しには大きいと小さいがそれぞれ三本刺さっていて、
おばあさんは針仕事が終わると必ず針の数を数えました。

ある日のこと、針刺しに見たことのない針が一本刺さっていました。
お日さまの光だろうかと思うほどの金色の小さな針です。
針の数が増えるなんて、これまで一度もありませんでした。

ある晩のこと、真っ暗闇の部屋の隅っこがなんだか不思議な感じに明るいことに
気づきました。
それは、針箱のバスケットの小さな割れ目からこぼれている青い光でした。

「まあ、針箱の中に電気がついてる」

急に楽しくなったおばあさんは、そっと蓋を開けてみました。
すると、小さい青いランプが灯っていて、その光に照らされて
とても小さな白いねずみが針仕事をしていたのです。

harihari 



お裁縫をしているおばあさんねずみの様子をみていると
母のことを思い出します。

母もよく縫い物をしていて、それを見ているのが好きでした。

布を裁断して、手縫いしたり、ミシンを掛けたりして
形作られていくのを見るのは本当に楽しかったです。

手際よく裁断した布をスイスイ縫っている様子は簡単そうに見えて、
私にも出来るんじゃないかと思っていたのですが、それがさっぱり。

やっぱりセンスなんでしょうか、手先の器用な人って憧れます。






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月夜の不思議な拾いもの『つきよに』




☆あらすじ☆

夜に、ねずみの子供が不思議なものを拾いました。

白くて、四角くて、いい匂いがします。

ねずみの子供は触ってみました。
ちょっと舐めてみました。
ちょっとかじってみました。

そして、それを抱えて家に帰りました。

tutu 



今日は新なのだそうですが、あえて夜のお話。

とても短いお話です。
ねずみの子供が不思議なものを拾って家に帰ると、
お父さんもお母さんもとても喜びました。
そして、三匹のねずみはとても幸せな気持ちになって、
うっとりと窓のを眺めました。

幸せな気持ちになれる出来事って、
どこに転がっているか分からないものです。

それに気づける感性をもっと大切にして、
気持ちを豊かにしていきたいと思えるお話です。

sooo 






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[ 2019/05/06 00:00 ] お話「た行」 | TB(-) | CM(0)

ひと粒のガラス玉を草のツルに通して『ころころだにのちびねずみ』


ころころだにのちびねずみ


☆あらすじ☆

ころころだにの谷底にひとりぼっちで住んでいる男の子のねずみがいました。
ちびねずみは恥ずかしがり屋で怖がり屋で、いつも自分の穴に引っ込んでいました。

だから、空は谷底から見える細長い空しか知らないし、
花は、谷に咲くユリの花しか知らないのです。

でも、ころころだには住心地の良いところです。
冷たい水も流れているし、緑の草もたくさんあるし、
ときどき上の方から季節の木の実などが落ちてきたりします。

「だから、僕ちっとも不自由してないんだ。
おともだちなんかいなくたって平気さ」

でも、本当は…。

ある晩のこと、ねずみは谷底に座って、細長い空を見ていました。
すると、たくさん光っていたの一つが急にキラキラ光りだして、
くるくる回りだしたのです。
そして、キラキラ光るものが目の前にポトリと落ちました。

空のが落っこちてくるなんて、そんなことあるのかしら…。


hhhhh




ひとりぼっちのちびねずみの前に突然現れたねずみの女の子。

女の子が落とした大切なものを一緒に探してあげるのですが、
ちびねずみのぎこちない優しさが、可愛らしくて、
読みながら嬉しくて笑顔になりました。

ggggg





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[ 2019/04/07 00:00 ] お話「か行」 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


はじめに



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