童話作家 安房直子さんが遺した景色

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懐かしさと切なさを感じさせるお話『さんしょっ子』


『さんしょっ子』



☆あらすじ☆

さんしょっ子はサンショウの木の中に住んでいました。

身なりは粗末な緑の着物と裸足でボサボサの髪の毛ですが、
なかなか可愛い女の子です。


畑の真ん中に生えているサンショウの木の下では、
いつも子どもたちがままごとやお手玉をしたりして遊んでいました。


さんしょっ子もお手玉が好きでした。
お百姓の娘、すずながお手玉をする時にはいつも木の上から見ていました。
そして、ずずなに気づかれないようにお手玉を一つずつくすねては、
秘密の場所に大事に隠しておきました。


月日は流れ、小さかった子どもたちもいつしか成長し大人になりました。

そして、さんしょっ子もすっかり大人になり、変化が訪れます。
でも、そのことにさんしょっ子はまだ気づいていないのです。


sanshow.jpg




母のお手製お手玉

もう12月も半ば、年の瀬を感じる時期になってきましたね。

今日、探し物をしていた時に懐かしいものを見つけました。

私がまだ小学低学年の頃に母が作ってくれたお手玉です。

お手玉①.jpg

お手玉の中身は私が学校帰りに摘んできたジュズダマの実です。

ジュズダマの実を母に見せるとハギレを持ってきて、
あっという間に2つのお手玉を作ってくれました。

『さんしょっ子』に出てくるお手玉の中身はあずきでした。
そういえば、物語には昔母から聞いた時代背景や遊びが出てきます。

まだ着物の生活、お手玉やままごと、
茶店のお団子は母がよく作ってくれたよもぎの草餅を思い出させます。

自分が知らないはずの時代なのにとても懐かしい思いがしました。

また、成長するにつれて経験する戸惑いや切なさが描かれていて、
自分の子どもの頃の事を思い出しながらも読めた物語でした。

さんしょっ子が風になってしまってからラストまでのくだりは、
安房さんの想いがにじみ出ている優しい終わり方だなと思いました。



母への思い

ここでもう少し、母のことを。

私の子どもの頃の思い出の中に欠かせない人は、
なんといっても母です。

母は手先が器用で、和裁洋裁や編み物が得意でした。

春はワンピース、夏は浴衣、冬はセーターと、
家族のものをよく作ってくれました。

いつも何かしら作っていたという記憶があります。

いつも一緒にいた私は、母が縫い物や編み物をしているのを
見ているのが好きでした。

一枚の布からワンピースやスカートが出来たり、
一本の毛糸からセーターやベストが出来たりするのが
不思議で面白くてずっと見ていても飽きないほどでした。

でも、母の器用さは私には受け継がれなかったみたいです(笑)

姉はしっかり手先の器用さを受け継いだんですけどね…。

それから、『さんしょっ子』の中で茶店のおかみさんが
団子を作る場面があるのですが、
母がよく作ってくれたヨモギの草餅を思い出しました。

母と一緒に土手に生えているヨモギを摘んできては、
それで草餅を作ってくれました。

よもぎ.jpg

今は農薬などが散布されている危険もありますから、
むやみに土手や道端に生えているものを熱処理しているとは言え
口にするのはためらってしまいますが、
私の子供の頃は、他の家でも当たり前にしていた事だったと思います。

”あの頃は良かった”とは一概に言えないですが、
あまりに当たり前にそこに有ったために、
失ってしまってからその大切さに気づいた事が
たくさんあるような気がしています。

私にとってその最たるものは母の存在だったと今更ながら感じています。




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[ 2013/12/14 00:00 ] お話「さ行」 | TB(-) | CM(0)
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Author:すきっぷ
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


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