童話作家 安房直子さんが遺した景色

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夕陽が沈んだあとの空の色『夕空色のかばん』


ゆめみるトランク』~北の町のかばん屋さんの話~より
夕空色のかばん


☆あらすじ☆

北の町、ここはまだ雪が舞う冬だというのに、
町外れにある小さなかばん屋のショーウインドーだけは春なのです。

南の港町にかばんを売りに行ったときに買ってきた水仙が
窓いっぱいに飾られ、優しい春の歌を歌っていました。

ある日、まるで水仙の花のようなお客さんがかばん屋に来ました。
そして、「かばんをこしらえてください」と言うのです。

かばん屋は注文を受けてかばんを作るのは始めてでした。

初めから持ち主が決まっていて、それを持つ人の手がありありと見えるかばん。

心をこめて作ったかばんは素晴らしい出来上がりでした。
軽くて使いやすくて、とても優しい感じの夕空色のかばんです。



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太陽が沈んだあと、まだほんのりと太陽の光が残った空の色が好きです。
太陽の赤と、夜の闇が混ざり始めて、なんとも言えない柔らかい色に包まれる空。
会社帰り、車のハンドルを握っているというのに、うっかり見惚れる情景です。

そんな色の革で作ったかばんなんて、きっと素敵でしょうね。
自分の好きな革で好きなように作る、オーダーメイドのかばん。
いつかはそんな贅沢な自分だけのかばんを作ってみたいものです。



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そんなら、僕と旅にでましょう。『かばんの中にかばんをいれて』


ゆめみるトランク』~北の町のかばん屋さんの話~より
かばんの中にかばんをいれて


☆あらすじ☆

北の町の町外れにある小さなかばん屋さん。
三代目の主人、上原一郎さんは腕のいいかばん職人ですが、
商売は上手くなくてお客さんもあまり来ないようです。

一郎さんが店の中で仕事をしていると時々不思議な声がします。

「たいくつでたいくつで、やりきれない」
かばんは、かばんらしい暮らしがしたいよ」

それはショーウインドーに飾られた古いトランクでした。

トランクは夢見るように言いました。
「わたしはいっぺん電車に乗ってみたいのです。
中にいろんなものを入れて、旅にでたいのです。」

急き立てられて一郎さんはトランクと旅に出ることにしました。

北の町はまだ、北風が雪の粉を撒き散らす寒い季節です。


banban



新しいかばんを買うときのワクワク感を思い出しました。
洋服のように頻繁に買い換えしないこともあって、
どのかばんが良いかとても時間をかけて選んでしまいます。

見た目はもちろん、どのくらい入るかとか、中にポケットは付いているかとか。
作りはしっかりしているかなんていうのも気になります。

あとは、値段ですね。
良いな~って思うのは、やっぱりそれ相当の良いお値段。

そして手に持ってみたり、肩にかけて鏡にうつしてみたりすると、
また印象が変わってきたりして…迷う~~~。

最近はあまり頻繁に買うこともなくなりましたが、
あれやこれやと見ている時間は楽しいひとときです。

そういえば、この物語に出てくる大きなトランク
子供の頃、外国のドラマか映画を観ていたときに、
旅をしていた女の子が持っていたのがこんな感じのトランクで、
なんかレトロな雰囲気があって素敵だなって思った記憶がありました。

いつかわたしもこんなトランクで外国を旅行したいって。

それで大人になって、実際お店で見つけて持ってみたら…重い。
かばんだけでこんなに重くちゃ持ち歩けないって、
買うの諦めました。

情緒があるというか、雰囲気が素敵なトランクでした。





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プロフィール

青と緑璃

Author:青と緑璃
安房直子さん作品に恋した「すきっぷ」改め「青と緑璃」です。


*安房直子さんご本人や関係各所とは一切関係ありません。


はじめに



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